お役立ち情報
ホワイトペーパー

SaaS企業だけじゃない?新たな企業の羅針盤となる「ユニットエコノミクス」とは

ユニットエコノミクスという言葉を聞く機会が増えました。ユニットエコノミクスは、多くのSaaS事業でKPIとして設定されている重要な指標の1つです。この記事では、ユニットエコノミクスの詳細について解説します。計算方法や目安、その重要性などについても説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ユニットエコノミクスという言葉を聞く機会が増えました。ユニットエコノミクスは、多くのSaaS事業でKPIとして設定されている重要な指標の1つです。この記事では、ユニットエコノミクスの詳細について解説します。計算方法や目安、その重要性などについても説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。

フリーランス成功への全体的戦略

ユニットエコノミクス(Unit Economics)は、経済学の用語で、企業や組織が個々の「ユニット」(通常は商品やサービス)を生産または提供する際の経済的な効率性を評価するためのフレームワークです。

ユニットエコノミクスでは、個別のユニット(商品やサービス)が生産、提供する過程で発生する収益とコストを分析します。具体的には、製品やサービスの販売価格、生産コスト、販売手数料、マーケティング費用、顧客獲得費用などが考慮されます。

ユニットエコノミクスの目的は、各ユニットが単体で経済的に収益を生み出しているかどうかを評価し、ビジネスモデルの持続可能性や収益性を判断することです。ユニットエコノミクスの分析によって、企業は収益を最大化し、効率的な運営を行うために必要な戦略的な意思決定を行うことができます。

例えば、ある企業が特定の商品を販売している場合、ユニットエコノミクスの分析では、1つの商品を生産・販売する際の生産コスト、販売価格、マーケティング費用などを評価します。それによって、その商品が単体で利益を上げているかどうか、または他の要素(他の商品のクロスセル、顧客獲得の効果など)に依存しているかどうかがわかります。

ユニットエコノミクスは、特に新興企業や成長企業にとって重要です。ビジネスモデルの改善や収益性の向上に向けて、各ユニットの収益性を評価することができるため、資金調達や投資家の関心を引くことができます。

ユニットエコノミクスの計算式

ユニットエコノミクスの計算式は、下記の通りです。

ユニットエコノミクス = LTV(顧客生涯価値)÷ CAC(顧客獲得単価)

上記の計算式から分かるように、ユニットエコノミクスを維持・向上させるにはLTVを上げるかCACを下げる必要があります。では、ユニットエコノミクスの計算で用いられるLTVとCACの計算方法なども併せて確認していきます。

LTV(顧客生涯価値)の計算式

LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)とは、顧客がSaaS企業に対して、サービス利用開始から解約までの間にもたらす(であろう)収益の総額を示す数値です。SaaS企業で使われるLTVの計算式は次の通りです。

LTV = 顧客の平均単価 ÷ チェーンレート(解約率)

式から分かるように、LTVはチェーンレートを下げることで向上します。顧客の解約理由を明確にするなど、改善に向けた取り組みを行うことが重要です。

CAC(顧客獲得単価)の計算方法

式CAC(Customer Acquisition Cost:顧客獲得単位)とは、1顧客を獲得するために必要となるマーケティングや営業のコストであり、ビジネス全体の顧客獲得単価を表すKPIです。CACの計算式は次のようになります。

CAC = 顧客獲得コスト ÷ 新規獲得顧客数

CACの顧客獲得コストに何を含めるかは企業によって異なるので、注意が必要です。

ユニットエコノミクスという言葉を聞く機会が増えました。ユニットエコノミクスは、多くのSaaS事業でKPIとして設定されている重要な指標の1つです。この記事では、ユニットエコノミクスの詳細について解説します。計算方法や目安、その重要性などについても説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。

ユニットエコノミクスを重視する企業の事例

ユニットエコノミクスを重視する企業の事例として、以下のいくつかの企業を挙げることができます。

①Uber(ウーバー)

Uberはライドシェアやフードデリバリーなどのサービスを提供している企業です。Uberは各個別のトリップやデリバリーを「ユニット」として捉え、ユニットエコノミクスの分析を重視しています。彼らは運送コスト、手数料、ドライバーの報酬などの要素を評価し、各ユニットの収益性を向上させるための戦略的な意思決定を行っています。

②Amazon(アマゾン)

Amazonはオンライン小売業を主力とする企業であり、商品をユニットとして捉えることができます。彼らは商品の販売価格、物流コスト、マーケティング費用などを評価し、各ユニットの利益性を最大化するための努力を行っています。

Netflix(ネットフリックス)

Netflixはオンデマンドの動画ストリーミングサービスを提供している企業で、映画やテレビ番組などのコンテンツをユニットとして捉えることができます。彼らはコンテンツの制作費、配信コスト、加入者数などを評価し、各ユニットの費用対効果を考慮しています。

これらの企業は、ユニットエコノミクスの分析を通じて、個々のユニットが収益を生み出し、ビジネス全体の持続可能性や収益性を向上させることに注力しています。彼らは各ユニットの収益性を把握し、収益を最大化するための戦略を継続的に見直しています。

以上のように、SaaS企業を中心に重視されてきたユニットエコノミクスは、多くの新興企業や成長企業に重視される指標となりつつあります。この機会に自社のユニットエコノミクスを算出し、その向上に向けた施策を模索してみてください。

お役立ち情報一覧へ戻る