BYODの活用と誤解
BYOD(Bring Your Own Device)とは、従業員が個人所有のデバイス(スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなど)を仕事に活用することを指します。本コラムでは昨今の企業を取り巻く環境を踏まえてBYOD活用のメリットと誤解について解説します。
BYODの一般的なメリット
BYOD(Bring Your Own Device)は、現代のビジネス環境で採用されている手法の1つで、従業員が個人所有のデバイス(スマートフォン、タブレット、ノートパソコンなど)を仕事に使用することを許可します。BYODには一般的に以下のメリットがあると言われています。
①生産性の向上
従業員は自身が使い慣れたデバイスを利用できるため、作業効率が向上します。使い慣れたインターフェースやアプリケーションを使用することで、業務に集中しやすくなります。その結果、タスクの処理時間が短縮され、生産性が向上することが期待されます。
②デバイス管理費用の削減
企業が従業員にデバイスを提供する必要がなくなるため、デバイスの購入費用やメンテナンスコストを削減できます。従業員自身がデバイスを所有しているため、企業がデバイスの管理やアップグレードにかかる負担も軽減されます。
③柔軟性の向上
BYOD環境では、従業員は自宅や外出先からも業務にアクセスできます。リモートワーキングや出張先での作業が容易になり、従業員は柔軟な働き方を実現できます。これにより、業務の継続性が高まり、生産性が向上します。
④働きやすさの向上
従業員が自身のデバイスを使用できることで、作業環境がより快適になります。自分のデバイスで仕事ができることにより、従業員のワークライフバランスが向上し、働きやすい環境が提供されます。
BYODの誤解
上記のメリットは必ずしも全ての企業に当てはまるものではありません。以下では、昨今の外部環境を踏まえ、BYODの誤解について解説します。
①BYOD施策のみではトータルでのコスト削減にならない
前述の通り、デバイス管理費用などコスト削減できる要素はあるのですが、情報セキュリティや労務管理の厳格化が求められる昨今、BYODが注目された当時より高度なツールの導入が求められるようになりました。結果として、BYOD環境の構築費用や運用費用が大きくなり、全体で見るとコスト増になる企業も散見されます。
②生産性向上効果が減少してきている
コロナ渦の影響により各企業リモートワークへの対応が求められたことで、すでに柔軟な労働環境が整いつつある企業が増えてきました。結果としてBYOD施策を行ったとしても大きな働き方の変化が無く、生産性向上に繋がらないケースも多くなっています。
BYODで目指すべきもの
前述の通り、BYODはコスト削減や生産性向上に対し効果的な手法で無くなりつつあります。しかしながら、BYODに対応できる環境を整えることは企業にとって重要な意味があります。
①外部人材の労働環境向上
フリーランスなど外部人材の活用が加速している昨今、彼らの働きやすさや作業効率を向上させることは企業にとって非常に重要となります。BYOD環境を整えることによって、セキュリティリスクの潰しこみも含めて外部人材を有効活用できるようになるでしょう。
②BCP対策
災害発生時にBYODを活用することで、従業員は迅速に業務を再開し、生産性を回復させることができます。既存のデバイスを利用するため、新たな設定やセットアップの時間を省くことができます。
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